【The Beautiful Ones】
日本の男性は美意識が高い?
日本のドラッグストアは男性用の化粧品や髪ワック
スがとても多いと思った。男性向けの化粧水やヘアウォーターは日本で初めて見た。 同じ独身寮に住んでいたY田は、毎週、三ノ宮の美容院に通っていた。彼は、そこで働いている美容師の女性が好きで片思いをしていた。
毎週髪を切るわけにもいかないので、基本シャンプーして、セットして、肩を揉んでもらって、琵琶湖線新快速に乗って帰ってくる。
毎朝、Y田はカゴいっぱいの化粧品や洗面器具を持って寮の洗面台に行く。男性用の顔洗う時に髪が濡れないカチューシャを付けて、化粧水を手の平で顔をパンパンする。髪の毛のケアも気合が入っていた。
Y田にとって寮生活は、女性との出会いがないので楽園ではない。
楽園を作ったら、人はどうなるか?
人間での実験は倫理的に問題なので、ネズミでの実験が過去にあった。
オスとメスを4匹づつ、人工的に作った「楽園」に逃がした。食料と水に困る事なく、温度も快適で、敵がいない、ネズミ専用の環境だった。掃除は科学者が行い、衛生面も保った。
ネズミは元気で、繁殖した。楽園は150匹にちょうどいい大きさの設計だったが、それを上回る数になった。ピークは736日目で、2056匹まで増えた。
水、食料、衛生の不足は無かったが、これ以上増えず、数は劇的に減った。きゅうくつだったのか?しかし、スペース的に快適な数まで減っても、繁殖は復活しなかった。1588日目には27匹まで下がり、繁殖出来ない年寄りしか残らなかった。
この実験で話題になった発見は、若いのに繁殖しないオスは「毛づくろい」しかしなかったので、毛がとても綺麗だった。論文では “the beautiful ones”と呼ばれた。
髪のケアが誰にも負けない、サラサラヘアのY田には彼女が出来そうでなかった。彼は The Beautiful One だった。
参考文献
Calhoun JB. Death squared: the explosive growth and demise of a mouse population. Proc R Soc Med. 1973;66(1 Pt 2):80-88.
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