去年、日本で受けた『欧米』カルチャーショックについての一言。
美容院の帰りに、原宿にある『クッキータイム』というクッキ
ー生地が食べられる専門店に寄ってみた。 え?!クッキーの生地?と、親やおばあちゃんに食べちゃダメと教え込まれて驚く人も少なからずいると思いますが、小麦粉は加熱処理され、卵は(毛唐の俺から見ればこっちのが心配)入っていないので安全…だそうです。
店舗に入った瞬間、英語話せそうな話せなさそうな顔つきの外国人の店員に「English or Japanese?」と聞かれ、日本人を接客するために必要な日本語ぐらいなら暗記してるからそのほうが無難でしょうと思い、「Japanese」と答えると、「We have a large variety of...」と英語で説明が始まり、「じゃ、聞くなよ」と日本伝統のツッコミを入れる間もなく、その説明はあっけなく終わってしまう。
焼きたてクッキーやホットチョコなど、いろんなスイーツがあるようだが、せっかくクッキー生地の専門店にきたので、その前日、はま寿司に行って不可解な衝動に駆られてあえてピザを注文した後悔のダメージが大きく、そのような冒涜を二度と繰り返すまいと思って、生地の食べ比べセット(3個)と生地入りのミルクシェークを頼んだ。
この店にこようと思った理由、またこのモーメントを書こうと思った理由を説明するにはやや過去に遡らないといけない...
元々生地が好きで、昔、おばあちゃんが作ってくれてたバタークッキーの生地を盗人みたいにこそこそとちぎって、おばあちゃんの死角となってるキッチンの隅に隠れて食べてた自分の姿はいまだに鮮明に思い描ける。
もっと食べたいと何度も思ったけど、これ以上食べたら、見て見ぬふりしてくれたやさしいおばあちゃんもさすがに怒っちゃうし、せっかく作ってくれた生地が「台無し」になっちゃうし、いくら遠慮を知らない子供の俺でも生の具材を加熱せずに大量に食べることにも少々不安を覚えた。
大人になってから、或るハリウッド映画(名前はもはや記憶にございません)で何気なくクッキーの生地を食べてるシーンを見て、生地への(食)欲が再びかきたてられたが、ありとあらゆるリトアニアのスーパーを探しまわっても見つからずにいた。
日本にきてもクッキーの生地は売ってないから、今まで商品化バージョンを一度も食べられず、美化しすぎた生地にがっかりする機会もなく余計に期待が高まっていたのだ...
…そして待望の初口...
やっと!と思い、口の中が期待感に負けて潤い、勢いよくかみつくと…
甘い。欧米人の口から「欧米か!」って言葉が思わずこぼれてしまうほど甘い。
リトアニアのお菓子も日本人に「甘すぎ!」と批判されることがよくあるけど、良くも悪くも上には上がある、と改めて思い知った。
食感は、想像しやすく言うと、形をしっかり保ってる温かいアイス。
一口一口が舌になじむたびに、甘さをややごまかすアイスの冷たさが恋しくなる感覚。
日本に上陸して4年経つ『クッキータイム』だが、日本で流行らない理由が身をもって分かった気がする。
味は保証しないが、日本で『欧米』のカルチャーショックを味わいたい方は、ぜひ一度「クッキータイム」に寄ってみてください。
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