ネイティブでない者として僭越極まりないが、僕は日本語で短編小説を書いている。別に最初から、よし、日本語で本を書こうぜ、と
思ったわけではない。文章を書くことが昔から好きで、日本語を勉強しはじめた頃に、作文の練習として日記を付けはじめた。しかし毎日書くに足ることが起こるわけでもないし、それに僕はまあ元からひどい嘘つきだから、少しずつ起こってもいない出来事も書き込むようになった。そのうちむしろ虚構の要素のほうがその日記の大半を占めるようになり、そっか、これが小説か、と後になって気づいた。ここのコメント欄に、小説を読んでるみたい、とか言うコメントをたまにいただくけれど、これは僕にとっては、最高の褒め言葉だ。数年前に、某新人賞にダメ元で応募してみて、最終選考まで残ったことがある。残念ながら受賞を逃した。残念と言っても、当時はおそらく文体に関しても、人としての成長に関しても、まだ準備ができていなかったので、むしろ受賞しなくてよかったのかもしれない。また挑戦してみたいなと思いつつ、毎年その締切が近づくと、いや、まだまだ推敲が足りないな、と言って尻込んでしまう。でもいつかは、また応募してみたい。もし受賞ができたら、ここでいつも僕の拙文を読んで、励ましてくれる皆さんに、感謝しなきゃ。
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